腰痛がある方にはストレッチが逆効果になることもあります。
腰痛がある筋肉は大抵、カチカチに硬くなっています。筋肉に力が入り、縮こまっている状態です。その状態の筋肉に無理やり伸ばす力を加えたら、どうなるでしょうか?
無理な負荷に耐えられず筋肉を痛めてしまったり、痛みに耐えようと余計な力が入ってしまい、カチカチに硬い筋肉を増やしてしまうことになります。
人間には身体を守る仕組みが備わっています。筋肉は無理な力が加わったり、持続的に負担がかかると、筋肉を損傷から守る為に反射的に収縮します。これは伸張反射と呼ばれるもので、「縮んで守れ」という信号を出して筋肉を縮めて固めてしまうのです。
筋肉が硬くなるのは、「筋肉を守る仕組み」と言うことになります。筋肉への負荷が強く急激なものであればあるほど、筋肉が収縮したままで戻らなくなります。また負荷が長時間かかる場合も筋肉が硬くなったままになります。
ストレッチが決して悪い訳ではありません。
知識や経験なしに無理なストレッチを行うと、求めている効果とは逆の結果を得てしまうリスクを知っておく必要があるのです。
なぜ腰痛が発生するのか?
私自身も手術経験がある椎間板ヘルニア…脊椎すべり症のような症状に悩まされている方も多いと思います。
しかし、腰痛の原因がはっきりとわかる事は少なく、レントゲンやMRIによって診断可能な症状は全体の15%程度と言われています。つまり、原因のわからない腰痛が85%を占めるのです。これは日本整形外科学会と日本腰痛学会が2012年にまとめた「腰痛の診断指針」で発表されています。
ほとんどの腰痛がレントゲンやMRIで確認できる骨ではなく、別のものが原因の場合が多く、病院では本当の原因を特定できないことがあります。
腰痛の多くは肩コリと一緒
一般的に腰痛の原因として、骨が歪んでいるから、神経が圧迫されて痛い、身体のバランスが崩れて痛みが出るなどと言われています。もちろん、そういったことで起きる腰痛もありますが、どちらかというと稀なことです。
あなたも肩コリや首コリを経験したことがあると思います。肩コリや首コリがひどくなると痛みを感じるようになりますよね。首が痛くて横を向けないとか、特定の姿勢を取るのが辛くて仕方ないとか…
実はそれと同じことが腰でも起きているのです。
多くの腰痛はコリが原因
筋肉が硬くなるとなぜ痛みが発生するのか、そのメカニズムついてお伝えします。
一口に腰痛と言ってもいろいろな痛みがあります。
特定の動きで痛みを感じる場合もあれば、じっと座っていても痛みが出てくる腰痛もあります。いずれの場合も、筋肉が硬くコリ固まっているために起こることがほとんどで、痛みの出方が異なるだけです。
筋肉の痛み4つの原因
筋肉が硬くコリ固まっていると言うのはどんな状態かというと…
コリ固まった筋肉は力が入っている状態と同じで、「太く」「硬く」「縮み」「伸びない」のです。
筋肉が「太く」「硬く」なることで、慢性的な痛みが発生します。
筋肉が「太く」「硬く」なることで血管を圧迫し血流を悪くします。血流が滞ることで運ばれる酸素が減り酸欠状態を招きます。身体は酸素不足になると、その危機状態を知らせるために痛みを感じさせる物質を出します。これが、慢性的な痛みのメカニズムです。
お風呂で体が温まったり運動をして血流が良くなると、一時的に酸欠が解消されるので、痛みを感じさせる物質の生成が抑えられ痛みがやわらぎます。
しかし、筋肉そのものがやわらかくなっていないので、元に戻ると再び痛みが出始めます。また、「冷え」や「むくみ」の原因になってる場合もあります。
筋肉が「縮み」「伸びない」ときに発生するのは関節の痛みです。
これは、筋肉が硬くなって関節の動きが阻害されることで生じる痛みです。
関節痛やヘルニア、椎間板症や脊柱管狭窄症、軟骨がすり減り膝に水が溜まる、いわゆる猫背や特定の動きで痛みを感じる等です。こちらは、レントゲンやMRIで原因を特定できる場合が多いです。
「慢性的な痛み」や「関節の痛み」も、筋肉のコリを解していくことで血流がよくなり伸びやすくなって、つらい痛みが和らいでいきます。当店のメディカルストレッチでは、そういった硬くなった筋肉にアプローチすることに主眼を置いていますので、痛みの激しいストレッチは行いません。お一人お一人の身体に合った強さでストレッチを行いますのでご安心ください。